くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.92:薬学生の実務実習

薬剤師 白根 加代子

訪問服薬指導に同行し、患者さんの背景を知る

ここ数年、病院に入院中あるいは薬局の窓口で薬を受け取る時、薬剤師から「実務実習生に服薬指導をさせていただきたくご協力いただけないでしょうか」とお願いされたり薬剤師の立ち会いのもと実務実習生から薬の説明を受けた経験をお持ちの片もいるかと思います。

これは医療人としてふさわしい質の高い薬剤師を養成することを目的に薬学教育が4年制から6年制に改正され臨床にかかわる実践的な能力を培うため5年生では病院と薬局で各2ヶ月半の実習を受けることが義務付けられたからです。

この実習を受けるにあたり4年生時に実務実習を受けられる知識・技能・態度があるかを評価する薬学共有試験を受け合格した学生のみが実習現場に送る出されてきます。

実務実習は全国統一のモデルカリキュラムに沿って進められます。

例えば薬局実習では薬局窓口での服用指導のほか訪問服薬指導も体験することになっています。

訪問服薬指導とは通院が困難になった患者さん宅を訪問し薬を届けつつ、説明、服薬管理、薬の効果や副作用、薬の生活への影響などを確認し、主治医や看護師、ケアマネージャー ヘルパー等と連携して、情報を共有しながら患者さんを支える業務です。

訪問服薬指導では 患者さんが慣れ親しんだ家庭環境で人生観に沿った医療を受けていること。薬剤師も医療チーム一員であり、患者さんの安全性の確保や生活の質の向上に貢献していること等を学びます。

たくみ外苑薬局では十種性に訪問服薬指導を1日平均5件、10数日間体験してもらいます。患者さんの背景もしってもらう事が好評で強い印象がの残るようです。

一方在宅療養している患者さんからも孫のような若い人と触れ合う喜びを感じてもらっています。

見学にととまらず、実際に参加体験する2ヶ月半の実習を終えた実習生は薬剤師の仕事が人命にもかかわる職能であることを認識し知識に偏ることなく技能や態度などについても大きく成長していると感じます。

実務実習は皆様のご協力なしでは行えません。皆様に感謝いたします。

これからも将来の医療を担う薬剤師の卵である薬学実習生に暖かいまなざしと応援をお願い致します。

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