くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.149:頭痛と鎮痛薬

中嶋 淑枝 薬剤師 代々木病院

季節の変わり目になると気圧の変化で頭痛がよく起こります。そんな時に手放せないのが鎮痛薬です。頭痛持ちの方は常備している方が多いと思います。今回は三大慢性頭痛のうちの一つ片頭痛についてと対処法、鎮痛薬の服用頻度の注意についてお話しします。

片頭痛が起こるしくみは完全には解明されていません。以前は脳血管の収縮(前兆)の後、血管が拡張することで起こると考えられていましたが、最近は2つの説が考えられ①脳そのものに片頭痛を起こす何らかの原因があり、そこが刺激されると前兆や頭痛が起こるという考え方(中枢起源説)と、②三叉神経が刺激され、その末端から炎症を起こす物質などが出ることによって脳硬膜の血管周りに炎症が起こることにより片頭痛の痛みが起こるという考え方(三叉神経血管説)です。

症状は①片側の脈打つような(拍動性)頭痛、②症状の発現時間が4~72時間と比較的短い、③頭痛により吐き気や嘔吐が起こる、④光や音に対して過敏になるなどです。

ここで注意いただきたいのは鎮痛薬の服用頻度です。3か月以上頭痛が月に15日以上あり、月に10日以上(単一成分の鎮痛薬の場合は15日以上)鎮痛薬を服用している状態を「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」といいます。

頭痛の頻度が多い方や頭痛以外の痛みを伴う基礎疾患がない方で頭痛での鎮痛薬の服用頻度が多い方は無理をせず、病院へ受診をし、適切な治療を受けるようにしましょう。

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