くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.147:家庭でも血圧を測ろう

澤田利奈 薬剤師 たくみ外苑薬局

高血圧は、かなり進行しても痛みなどの自覚症状がほとんどないため、健康診断で「少し血圧が高め」として指摘されたくらいでは、そのまま放置してしまいがちです。しかし、放置していると、脳、心臓、腎臓など、さまざまな臓器に障害をきたし、心疾患や脳卒中といった生命の危機にかかわる病気の引き金になります。こうした病気のリスクを減らし、健康を維持するには、しっかり血圧管理をすることが大切です。

最近では、脳心血管病の発症を予測する方法として、診察室で測る「診察室血圧」よりも家庭で測る「家庭血圧」の方が重視されています。2014年の高血圧の診療方針をまとめた「高血圧治療ガイドライン」(日本高血圧学会)改訂で、大きなポイントとして示されたのが、家庭で測定する「家庭血圧」の評価です。「診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧による診断を優先する」と記され、それ以前よりも家庭血圧を重要視する内容になりました。家庭で血圧を測る際の主な注意事項を紹介します。

①測定は、朝(起床後1時間以内、排尿後、朝の服薬前、朝食前、座位1~2分安静後)と晩(夕食前あるいは就眠前と決めた時間)(座位1~2分安静後)の1日2回
②1機会に2回測定しその平均をとる(ただし測定値は全て記録し主治医に見せる)
③評価は、朝測定値7日間(少なくとも5日間)の平均値、晩測定値7日間(少なくとも5日間)の平均値
その他、足を組まずに座る、入浴後や飲酒後は一時的に血圧が下がるので避ける、といった事に気をつけることも大事です。
詳細は日本高血圧学会や血圧計販売メーカーのホームページなどでも紹介されています。日々の健康管理の一つとして、家庭での血圧測定を行っていきましょう。

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