くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.138:薬と検査値のいい関係

田島愛莉 薬剤師 たくみ外苑薬局

薬局で「検査値を見せてください」と言われたことはありませんか?薬を適切に使用する上で検査値は大切です。

人は年を重ねるにつれ、腎機能が落ちていきます。腎臓には多くの薬を適切に排泄する役割があります。もし腎臓が薬を排泄できなくなれば、体の中の薬は外に出ることができず、体の中に溜まっていき悪影響を引き起こしてしまいます。そのため、薬局でも腎臓の検査値から、その人にあった薬の量を考えてお渡しする必要があります。また、肝臓も一部の薬を代謝する役割があるので、肝臓の検査値もみて調剤します。

薬の調剤以外の目的でも検査値をみることがあります。例えば、糖尿病の患者さんにはHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という値について聞きます。これは1~2ヶ月間の赤血球に付いている糖分量を表す値で、血糖値とは別に普段の血糖状態を判断するために必要な検査値です。糖尿病の薬により、この値が適正になっているかを確認することで、薬の効果や副作用の出方を薬局では確認しています。

もちろん、これらは病院でも確認していることだと思います。しかし、薬局は患者さんの最後の窓口でもあり、ここで検査値を含め、適切な医療を提供できているかどうかの最終チェックには大切な意味があります。
次回薬局にいらした際に検査値票をお持ちでしたら、私たち薬局の薬剤師にも見せて頂けたらとても有り難く思います。

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