くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.137:咳と痰のお話

澤田 梨奈 薬剤師 たくみ外苑薬局

気管や肺は、外から侵入する病原体等に直接さらされています。これらに起因する感染症等の発生を防ぐための防御反応が咳と痰です。気道からの異物を取り除くために咳が出て、気道の粘膜が異物をからめとった事により痰が出ます。しかし、咳や痰が長く続くと、生活の質の低下、体力の消耗などにつながるため、必要に応じ薬で咳や痰を抑えたりします。


咳や痰は体の防御反応で、必ずしも止める必要がありません。しかし、咳や痰が病気により出ることもあり、原因を明らかにして適切な治療を受けた方が良い場合もあります。咳や痰が長く続くようであれば、躊躇せずに受診しましょう。


(参考)高齢化に伴い、脳血管障害・認知症などの患者さんが増えています。この様な病気では、咳を出すことが難しくなっています。咳が出ない症状は、咳が出るより重篤な症状であり、誤嚥性肺炎(食べ物を飲み込むことができなくなり、食べ物が誤って気道に入り込んで肺炎を起こしてしまう)を起こす危険性があります。

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