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くすりの話 あれこれ ~代々木病院~
No.136:薬の安全いまとこれから
中嶋 淑枝 薬剤師 代々木病院薬局
医療用のお薬は使い方・飲む量がとても細かく、一歩間違えれば副作用の恐れがあるために、薬剤師が必ず説明することになっています。
副作用なく病気の治療を終えて、健康な生活を送っていただきたいですが、病気の性質によっては薬とずっと付き合っていかなくてはならないものもあります。そのような方には安心して治療が継続できるように、お薬の効果・副作用を確認させていただくことがあります。
では、そのお薬の副作用の情報はどこからくるのでしょうか?それは、ずばり今までそのお薬を服用された方々の中で副作用が出てしまった方から収集された情報です。
薬というのはどんなに安全に気を使っていても効果の反面、出てしまうのが副作用といえます。
従来、お薬の安全性に関する情報というのは製薬企業や医療機関からの副作用報告や使用成績調査をもとに作られていました。しかし薬害防止のためには国として沢山の医薬品情報を集める必要があり、医薬品情報データベースというものを活用しようという動きが出てきました。
最近では国全体で取り組んでいるMID-NETという、全国の医療機関数か所のカルテのデータを加工して、より安全に医薬品を使用できるように解析するという仕組みが出来ました。
医療の情報というのはプライバシーに配慮する必要があり、個人が特定されないよう繊細なルールのもとに活用されなければなりませんが、このデータの活用により沢山の医薬品の情報がきめ細やかになって薬がより安全・より効果的に使えると考えられています。
今後、患者様が安心して薬を飲めるように、こうした情報をしっかり見極めながら、薬剤師としてサポートしていきたいと思います。