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くすりの話 あれこれ ~代々木病院~
No.133:ノロウイルスに注意を
佐藤 拓哉 薬剤師 代々木病院薬局
感染経路について
1月になるとインフルエンザだけでなくノロウイルスが流行します。感染力が非常に強く少量のウイルス(10~100個)でも発症してしまいます。主に経口感染で、ノロウイルスに汚染された二枚貝(主に牡蠣)などを摂取することで感染します。家庭では感染者の便や嘔吐物に触れた手指で取り扱う食品などを介して二次感染を起こすことが多くなっています。
症状と対応
ウイルスの潜伏期間は12~48時間で、突然の嘔吐や吐き気・腹痛からの水様性の下痢症状、37~38℃の発熱が特徴ですが、ほとんどの場合1~2日で治まります。有効な抗ウイルス剤がなく、対症療法が行われます。特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者が感染すると、「脱水症状」になりやすいので、症状が少し落ち着いた時に、少しずつ水分補給を行ってください。脱水症状がひどい場合には、病院で輸液(点滴)を行うなどの治療が必要となります。下痢症状が酷いからと言って、強い下痢止めを服用するとウイルスが腸管内に溜まり回復を遅らせる場合があるので注意が必要です。また嘔吐物によって気道が塞がり、「窒息」
を起こすこともあります。
また、汚物(嘔吐物や排泄物)にはノロウイルスが大量に含まれています。
予防が大切
ノロウイルスはアルコールに強い抵抗性を持っています。汚物を処理する際は、「次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、キッチン用ハイター、ブリーチ等)」を原液10mlに対して水500mlで薄めて消毒して下さい。環境の消毒には原液10mlに対して水2.5lで薄めて使用してください。また、調理の際には熱をしっかり通すことで予防に繋がります。
これからの季節は、手洗いやうがいをしてしっかり予防しましょう。