くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.129:高温多湿期の薬の保管方法

槙野 和文 薬剤師 代々木病院薬剤部

6月になり、気温も高くなってきした。これから梅雨の時期をむかえ、湿度も高くなってきます。今回は高温多湿期にむけて薬の保管方法について特に気を付けたい温度・湿度・光についてのお話です。

【温度】
保管方法について特に指示がない場合は「室温」で保管します。「室温」とは1~30℃と定められています。高温状態で薬を放置すると薬が分解して十分な効果が期待できなくなってしまうため注意が必要です。「冷所」で保管するものは1~15℃で保管します。0℃以下になって凍結してしまうと薬が変化し、効果が出ない場合がありますので注意しましょう。

【湿度】
湿度の高い状態で薬を放置すると薬の色が変色したり粉薬が固まってしまったりすることがあります。

【光】
薬は光によって分解されてしまいます。出来るだけ乾燥した場所で、缶に乾燥剤を入れて保管するなどしてみても良いかもしれません。
ただし、夏場などは室内、車内など一時的に30℃を超えてしまうこともあると思いますが、薬は気温40℃、湿度75%で6か月間保存可能か確かめる試験をクリアして世の中に出てきていますので一時的な高温多湿状態は問題ないでしょう。

薬は適切に保管することによって効果を保つことができます。十分な効果を発揮出来るよう保管方法にご注意ください。

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