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くすりの話 あれこれ ~代々木病院~
No.128:医薬品副作用被害救済制度を知っていますか
間 規子 薬剤師 たくみ外苑薬局
薬は医療には必要不可欠なものでが、効果とは裏腹に、副作用という不利益をもたらす物でもあります。万全の注意を払って正しく使用しても、副作用を0にすることは不可能です。入院を要したり、生活が困難になったり、死に至ることもあります。しかし、これらの被害について、その賠償責任を追及することは困難で、追及することができても多大な労力と時間を費やします。この制度は、過酷な副作用被害がなんら賠償されない状況を是正すべく、1979年に設立された制度です。同年には、薬の安全性に関する薬事法の大改正もされました。これらの変革は薬の安全性を大きく前進させるものでした。
実はこれらをもたらしたのは薬害スモン事件です。薬害スモンは、キノホルムという大衆薬でも用いられた薬による、視神経や全身の重篤な神経障害被害で、被害者は1万人を超えました。被害者は深刻な状況の中で、裁判を通して、「こんな苦しみは二度と起こしてはいけない、こんな苦しみは私たちだけでいい」と、自分たちの賠償だけでなく、薬害の再発防止、被害の迅速な救済制度の設立も要請したのです。
薬を使用する人、扱う人、誰にとっても大事な制度だと思います。今回、その詳細は記載出来ませんが、知っててみようかな、というきっかけになれば幸いです。