くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.126:スイッチOTC医薬品について

茂木祐子 薬剤師 たくみ外苑薬局

スイッチOTC医薬品とは

これまで医療用医薬品でのみ使用が認められている成分の中で、使用実績があり比較的副作用が少なく安全性の高い成分を、市販薬に転用したものをいいます。
市販薬は有効成分のリスクによって「要指導医薬品、第一類医薬品、第二類医薬品(指定第二類を含む)、第三類医薬品」の4つに分類されます。この中で要指導医薬品と第一類医薬品は、安全に服用するために薬剤師からの副作用などの情報提供が義務づけられ、スイッチOTC医薬品はほとんどが第一類医薬品に該当しています。
解熱鎮痛剤ロキソニンS(ロキソプロフェンNa)、胃酸分泌抑制薬ガスター10(ファモチジン)、最近ではアレルギー性鼻炎薬クラリチンEX(ロラタジン)など82成分が指定され、今後も更に増えていく傾向です。
病院に受診することなく購入できるので、ちっと具合の悪い時に自分で治すことのできるセルフメディケーション(自主服薬)に便利ですし、病気の早期治療や今後の医療費削減に大きな役割を果たすでしょう。


購入時の注意

一方、正しく使用しないと副作用などが起こることもあります。購入する際には症状だけでなく、体質や過去の副作用の経験、現在服用中の薬、アレルギーの有無なども伝えてください。お薬手帳を持っている方は手帳を見せ相談されるとよいでしょう。使用は短期間に留め、症状が続く様なら必ず受診しましょう。重大な病気が隠れている可能性もあります。


税制の優遇

2017年1月1日から、セルフメディケーションの推進のため1年間にスイッチOTC医薬品を一定の額以上購入すると所得控除が受けられるセルフメディケーション税制(医療控除の特例)の制度が始まりました。

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