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くすりの話 あれこれ ~代々木病院~
No.115:かかりつけ薬剤師とは?
神谷麻里 薬剤師 たくみ外苑薬局
2016年4月の調剤報酬改定で、「かかりつけ薬剤師指導料」が新設されました。これは、自分を担当する薬剤師を患者様が指名できる制度で、いわば美容院で美容師を指名して散髪してもらうのと同じようなものです。従って、料金がかかるのですが、窓口負担の増額は1回あたり20~100円(保険の負担割合により差あり)くらいです。
指名された薬剤師は単に窓口を担当するだけでなく、患者さんに関わる様々なことをするよう要件が定められています。具体的には患者様から同意書に署名をもらい保険する、お薬手帳にかかりつけ薬剤師名を記入する、24時間対応できる連絡先と勤務表を患者様に渡す、患者様が受信している医療機関の情報(服薬内容など)を全て把握する、必要ならば自宅を訪問し薬の整理をする、などです。
さらに、薬剤師側にはかかりつけ薬剤師になるための最低条件があり、3年以上の薬局勤務経験、週32時間以上勤務、同一薬局に半年以上勤務、日本薬剤師研修センター等の研修認定を取得している、医療に関わる地域活動に参画している、などです。
色々あげてみましたが、実はこれらのことは、今でも薬局としてはすでにやっていることなのです。同意書がなくても、指名されれば担当になりますし、24時間対応(夜間休日の電話対応や必要に応じて処方箋調剤)も薬局としては実施しているところが多いです(たくみ外苑薬局も)。患者様が服用している全ての薬を把握して安全に服薬出来ているかを確認するのは薬剤師の仕事です。
まずは、「かかりつけ薬局」を決めて気軽に相談してみてはいかがでしょうか。制度としては今年度から新たに始まったものですが、昔から何か心配事があれば「町の薬局に相談」という流れはあったのではないかと思います。
医師にはなかなか話しづらい、伝えられなかったことなど、ぜひ薬局で打ち明けてみてください。処方箋がなくても、今飲んでいる薬のことや、もっとからだに合う薬はないかなど、窓口でも電話でもいつでも相談にのります。薬のことだけでなく、からだのことや家のことなど、不安なことがあれば話してみてください。お薬以外のことに関しては、直接アドバイスが出来なくても、適切な相談先を提案するなど次につなげる窓口になれればと思っています。