くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.112:糖尿病における「運動療法」と「食事療法」

楠本由美子 薬剤師 たくみ外苑薬局

日本人は欧米人に比べインスリンの分泌量が少ないと言われています。肥満になる前に血糖が上がって糖尿病になってしまう「インスリン分泌障害型」の糖尿病を発症しやすいといえます。
少食で痩せ型の人でも麺類やご飯ばかり食べていると、糖質過多になり、インスリンが追い付かなくなることも考えられます。糖質のとりすぎに注意が必要ですね。

一方、インスリンの分泌は問題なくても、過食や運動不足の生活習慣が原因で内臓脂肪が蓄積されると、内臓脂肪からインスリンの効きを悪くする物質が多く産生されて、筋肉や肝臓などの細胞に糖を取り込みにくくし、これにより高血糖となる「インスリン抵抗性」の糖尿病が生じます。

【運動療法】

食後に運動すると全身の筋肉への血流量が増え末梢までインスリンが行き渡り、筋肉など細胞への糖の取り込みが増し、その結果、食後高血糖を改善します。
さらに、運動を継続することでインスリンの感受性が高まって、インスリン抵抗性が改善され、細胞への糖の取り込みを促進します。

「運動療法」の内容としては、散歩やジョギングなどの有酸素運動と筋力を向上させる筋トレを組み合わせて行いましょう。運動療法を制限する場合もありますから、必ず 医師に相談して下さい。

【食事療法】

さて、「食事療法」は栄養バランスをとりながら、個々の身体の特性やエネルギー消費量を考慮し摂取エネルギーを決定する、つまりカロリーを制限して血糖値を改善する「カロリー制限食」を推奨しています。

しかしながら、近年では、カロリー制限で血糖コントロールがうまくいかない患者さんに対して、糖質の摂取量を制限することで食後の高血糖を防ごうという「糖質制限食」を推奨している医療機関も増えつつあります。一日の糖質量を70~130gに抑えて食べる方法です。

糖質制限食は血糖を下げる効果がとても高く即効性もありますが、糖尿病の薬物治療を行っている場合、血糖値が下がりすぎて、低血糖におちいる危険性があります。糖質制限食を取り入れたい場合は、自己判断・自己流で行わないで必ず主治医に相談しましょう。 自分のライフスタイルに合った運動療法と食事療法を組み合わせ、良好な血糖コントロールを維持していきましょう。

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