くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.100:チーム医療の一員としての薬剤師の役割

一由久美子 薬剤師 たくみ外苑薬局

厚生労働省は、団塊の世代が75歳に達する「2025年問題」の超高齢化を考慮して、住み慣れた地域で安心して暮らせる在宅医療を推進しています。
こうした中で薬剤師は、チーム医療の一員として、地域医療を担う医師、歯科医師、訪問看護師、ケアマネジャー、介護スタッフと協働し、人の命と健康な生活を守り、ヘルスケアに取り組んでいます。地域の薬局の具体的な取り組みを紹介します。

① 相談しやすさ:地理的にも近く、休日・夜間の健康不調や健康不安、病気予防などの相談に薬剤師が応じます。処方せん調剤では、後発医薬品の提案や、飲み残した薬を減らすよう医師に飲みやすい処方提案をします。これは個々の患者さんの負担を抑えるだけでなく、国全体の医療費を抑制する効果もあります。

② 幅広い問題についての対応:住民の健康相談や、医師への受診が良いか、市販薬で対応できるかなどの相談に応じます。また、健康食品や漢方薬に関してのアドバイスや、生活習慣病予防のためのアドバイスなども行います。近年、相談者の自己穿刺による血糖測定が可能になりました。受診や介護保険の利用などを紹介することもできます。

③ チーム医療を展開:処方された薬の効果や副作用、相互作用、服薬状況などをチェックして医師に伝えます。この目的のために、必要に応じて血圧や脈拍を測ったりすることもあります。また患者さんに服薬指導、自己注射指導を行ない、患者さんの声を担当の医師や看護師に届けます。特に訪問服薬指導においては、医師、訪問看護師の他、介護スタッフとも連携します。

④ 子供から大人まで、また健康な時も病気になってからも、切れ目なく幅広く住民への医療・健康サービスを提供します。患者さんが外来→入院→在宅→入院と繰り返す際、服薬がスムーズにできるよう病院薬剤師とも連絡を取り合います。

⑤ 薬剤の専門家としての役割:調剤においては、処方監査、疑義照会、調剤、服薬支援など、適正な医薬品を提供する責任を負っています。
この他、退院後の中心静脈栄養輸液などの無菌調剤や、がん疼痛などの緩和医療などに対応し、またどこの病院、診療所の処方せんにも対応できる地域の薬局をめざしたいと思っています。

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