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サプリメントに頼らない生活
No.96:熱中症予防になる飲み物
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
今年の夏は、気温が平年並みか高いと予想されています。熱中症は蒸し暑い環境の下、体温調節ができず体内に熱がこもる状態です。
猛暑だった2010年と2018年には千人以上が命を落としました。2022年は6月からの一週間に前年の11倍、14,629人が救急搬送されています。その55%が高齢者、4割は住居内で発生しました。
高齢者は、喉の渇きを感じにくいため、意識的な水分補給が大切です。体温を調節するために、屋内にいても、発汗で水分は失われます。そのため、1日8回を目標に、時間を決めて水分補給することをおすすめします。起床時、各食後、入浴後、睡眠前にはコップ一杯、さらに午前・午後1回ずつ追加すれば、1日1.2リットル飲むことも容易です。
水分補給にスポーツ飲料が人気を集めています。しかし、選手の脱水症状を防ぐため、500ml中に20~30gと多めの砂糖が入っています。競技しない人には糖質が過剰となります。
テレビでは、「脱水症状における水・電解質の補給、維持に適した病者用食品」の宣伝が目立ちます。しかし、あくまで脱水症になった後に使う飲料であり、予防に使うものではありません。賞味期限が製造日から15か月と短いため、お守りとして持っておくのも不効率です。
カフェインが入っていない麦茶やほうじ茶など、お好みの飲料で予防に努めましょう。