サプリメントに頼らない生活

No.93:アレルギー反応を抑える食事

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

花粉がたくさん飛散しています。アレルギー症状を激化させない対策として、食物繊維の摂取と、炎症を強める植物油の摂取削減など、食事について考えましょう。

大腸の腸内環境を改善する「ビフィズス菌」接種も有用ですが、機能性表示食品の届出資料を見ても、効果が認められるまでに7週間かかり、即効性はありません。また、善玉菌のエサとなる食物繊維の摂取も、効果が分かるまでに時間がかかります。

花粉による過敏症を抑える体質改善として、植物油の制限が有用です。アレルギー反応は、アレルゲン(花粉)の侵入により、炎症反応を促進する物質(炎症メディエーター)が放出されて広がります。植物油が含むリノール酸(n-6系)からつくられる炎症メディエーターは活性が強く持続的に作用します。
それに対しαリノレン酸などn-3系脂肪酸はその作用を抑える作用を持ちます。摂取油脂のn-6/n-3比を下げることを日本脂質栄養学会は提唱しています。

n-3系脂肪酸を高価な“えごま油”や“あまに油”、魚油製品から取ることで、花粉症の症状を緩和できるという宣伝も見受けますが、それよりも、日頃からマーガリンやドレッシングなどのリノール酸を多く含む油脂製品を避けましょう。
また、伝統的な和食を取ることや、魚を食べる機会を増やしたりサラダ油の代わりにオリーブ油を使ったりして、リノール酸摂取を控えるという対策をお勧めします。

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