サプリメントに頼らない生活

No.92:花粉症ストレスを軽減する

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

今年はスギ花粉がたくさん飛ぶと予測されています。花粉が鼻や目に不快感をもたらす、憂鬱なシーズンは5月まで続きます。
体を守るはずの免疫反応が花粉に対して強く反応し、アレルギー症状を起こします。「鼻アレルギーの全国疫学調査2019」では、対象者の42.5%が花粉症と診断され、国民病となっています。

治療は対症療法が中心で、不快な症状を抑えるための抗ヒスタミン薬が使われます。しかし、その人に合った薬が選ばれてないことが多く、治療効果が乏しいと感じて民間療法が利用されています。

「花粉、ホコリ、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減する機能や、大腸の腸内環境を改善し、腸の調子を整える機能が報告」された「ビフィズス菌」が機能性表示食品で人気を集めています。

この商品は、免疫の乱れを正して異常反応をなくすという理屈で開発されています。根拠とした研究では、健康な人と治療を受けてない軽症者を対象とした試験で、鼻のかゆみ、鼻水、鼻づまりに関する自覚症状をみています。摂取群でプラセボ摂取群と比べて摂取開始7週目で有意に低下することが示されたとしています。効果は微妙なレベルです。

花粉症による不調への対策は、特定の物質に頼るのでなく、生活ストレスをためない・食物繊維を十分にとる・炎症を強める植物油の摂取を控えるなど、総合的な対策が必要です。

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