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サプリメントに頼らない生活
No.89:冬の感染予防への健康管理
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
2022年冬は3シーズンぶりのインフルエンザ流行など、ウイルス感染への警戒感が高まりつつあります。いま、注目を集めている商品が「乳酸菌」です。大手食品メーカーが競って機能性表示食品を販売し、腸内環境を整え免疫機能を維持すると宣伝しています。
最近、乳酸菌がインフルエンザや風邪症状の改善に役立つことを実証しようとする研究が活発になっています。機能性食品の届出情報から、その効果を見てみましょう。
健康な方が乳酸菌を摂取し、摂取しない場合と比較して免疫機能が維持されるかを調べた「文献6報のうち4報で、全身の自覚症状(全身倦怠感、寒気、熱っぽさ、総合的な臨床症状、体調又は疲労)が対照群と比較してより軽度に維持されていた」「文献5報のうち全てで特定の部位の自覚症状(くしゃみ、鼻汁、鼻閉、のどの痛み、せき、頭痛、関節痛または筋肉痛)が対照群と比較してより軽度に維持されていた」
「これらを総合的に判断し、“乳酸菌”の免疫機能の維持効果について示唆的な根拠があると判断した。調査対象の文献が6報と十分に多いとは言えないことが本調査の限界であり、更なる臨床研究が望まれる」
届出では、広告より謙虚な表現がされています。製品パッケージにも「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のパランスを」と書かれているように、過剰な期待はしない方が良いでしょう。