サプリメントに頼らない生活

No.86:ネット通販、ボタンを押す前に確認を

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

お試しだけのつもりが「定期購入」になるトラブルが頻発しています。消費生活センターに寄せられた定期購入に関わる相談件数は、2021年までの8年間で100倍と激増です。

通常価格約1万円のダイエットサプリメントを初回5000円で購入でき、「いつでも解約可能」と広告に表示されていたので注文。ところが、「2回目を受け取らずに解約する場合は、通常価格との差額が違約金として発生する」と、注文完了メールで表示されていたケースがあります。

また、特別価格の購入締切のカウントダウン表示に焦って注文したら、5回目までは解約不可の定期購入契約であった例もあります。解約は電話でしか受け付けず、簡単につながらない悪質な例もありました。

被害の多発を受け、2022年6月「特定商取引法」が改正され、発注前の最終確認画面で、(1)1回限りか定期購入か、(2)2回目以降の価格はいくらか、(3)どうすれば解約できるのか、を確認することが求められるようになりました。それでも、スマートフォンの小さな画面では読みにくく、本人が確認ボタンを押すと契約成立となります。消費者庁は、最終確認画面のスクリーンショットを撮り、証拠として使うように勧めています。

万一被害にあったときは、お住まいの自治体にある「消費生活センター」に相談し、悪質な業者に対する行政の対応を求めてください。

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