サプリメントに頼らない生活

No.85:熱中症予防に十分な水分補給を

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

今年は早々と梅雨が明け、猛暑日が続くため、熱中症に注意が必要です。熱中症は蒸し暑い環境の下、体温調節ができず体内に熱がこもる状態で、7月後半から8月に救急搬送される人が多くなります。有効な予防方法は、(1)エアコンを使う、(2)こまめな水分補給、(3)十分な食事と睡眠です。水分補給について考えてみましょう。

水をがぶ飲みすると、体内のナトリウム濃度を保とうとして、逆に脱水状態が進みます。スポーツ飲料は、選手の脱水症状・熱中症による死亡を防ぐことを目的に、1965年アメリカで開発されました。発汗により失われる水分と塩分を速やかに補充するように作られています。 日本では清涼飲料水として1980年に「ポカリスエット」が発売され、スポーツ選手へ普及しました。近年では、熱中症対策にも売られています。

しかしスポーツ飲料は、他の清涼飲料水より多めの砂糖が入っています。500ml飲むと、20~30gの砂糖をとることになってしまいます。競技でカロリー補給が必要な選手には良い処方ですが、そこまで体を動かさない方には過剰です。

通常の水分補給に、特別な飲料は不要です。カフェインが入っていない麦茶や、ほうじ茶をたくさん準備し、コップ一杯ずつ、1日何回も飲むのが良いでしょう。外出で汗をかいたときは、コンビニでも買える「塩飴」をなめれば十分です。

サプリメントに頼らない生活 TOPへ戻る≫

TOPへ