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サプリメントに頼らない生活
No.81:マルチ商法で売るサプリメント
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
健康食品で問題となる販売方法に、マルチ商法があります。子会員を勧誘するとリベートが得られ、ピラミッド状に会員を増やしながら商品を販売する商法で、消費者トラブルが多発しました。最近は「ネットワークビジネス」と名乗り、若い消費者に有利な副業として売り込んでいます。しかし、利益を得られる人はごく一部の上位会員だけ、大多数の会員は割高な商品を買い続けることになります。
健康食品で問題なのは、「私あれだけ痛い痛い言っていたのが痛いと言わなくなったでしょ。股関節よくなった」と自分の体験談を付け、友人へ売り込むことです。
2021年8月3日、消費者庁はリーウェイジャパンに対して、特定商取引法に基づく6か月間の業務停止命令を出しました。同社はサプリメント「パーティアプラセンタ」(1箱4万8600円、税込)を「鹿の幹細胞やから、そこから新しい細胞を作っていく。…だから、すべての病気に効く。癌も治る。アトピー、難病に効く。」として販売しました。消費者庁は勧誘の際に告げた事項について、合理的な根拠を示す資料の提出を求めたしたが、提出されなかったため処分されました。20年12月期の売上高は約80億円。国民生活センターに寄せられた消費者相談の件数は、18年4月から21年7月までの4年間で399件でした。
このような例は、後を絶ちません。ご注意ください。