サプリメントに頼らない生活

No.71:免疫力を維持するという食品

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

健康食品の市場規模拡大が、2020年は足踏み状態だったと報告されています。その中でも成長を続けたのは機能性表示食品です。その販売額は3千億円に達し、縮小する特定機能食品(トクホ)の売上を越えたと推定されます。同年に承認・届出された新製品の数はトクホが11件、機能性表示食品は879件と大差がついており、今後その差は広がるでしょう。

新製品の販売といっても、既存の商品が模様替えして売上を伸ばしたこともあります。2004年から販売してきた「お~いお茶 濃い茶」は、2019年8月から「体脂肪を減らす機能」を持つ機能性表示食品として発売されました。その結果、下半期の売上高は前年比1.6倍となりました。

2020年は、新柄コロナウイルス感染症に対する不安から、「免疫力」に注目が集まりました。その中で、2017年にブランドを確立し販売されてきた「プラズマ乳酸菌」飲料は、機能性表示食品に模様替えした結果売上が8.4倍になりました。

乳酸菌が健康に良いという研究報告は古くから知られていますが、プラズマ乳酸菌で表示許可がされた機能は「健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています」と、医薬品やトクホでも標榜しなかった効果に踏み込んでいます。

問題は、どれだけの量と期間、飲んで効果があるのか十分な説明がなく、評価できないことです。

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