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サプリメントに頼らない生活
No.64:やせるサプリメントの効力
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
63回で紹介した「おなかの脂肪を減らすのを助けるサプリメント」は一部商品の誇大広告が問題となりましたが、他の製品は買っても大丈夫なのでしょうか。10月8日、朝日新聞の記事が「葛の花由来イソフラボン」の効力に厳しい評価を下しています。
根拠論文の一つは、BMI(体格指数)が平均27.5という軽度肥満の人に12週間飲んでもらった結果、内臓脂肪面積などで偽薬を飲んだ人より減少が大きいとする結果を示しています。しかし肝心の体重減少の差は、体重75kgの人で1kg程度でした。
朝日新聞の取材に対し、論文執筆者が所属するメーカーは「食品は薬ではないので大幅にはやせない」と答えています。また、広告改善措置を命じた消費者庁の担当者は「複数の根拠論文を総合的にみても、減少は体重が1キロ程度、ウエスト周囲径が1センチ程度で日常の変動の範囲内。それが消費者に伝わっていなかった」と語っています。
消費者が、広告の隅々まで読んで効果の限界を理解していないことが問題だったのでしょうか。製造販売する企業が準備した論文を元に根拠があると消費者庁へ届け出れば、審査なしに「効能」をうたうことができる「機能性表示食品」のあり方が問われています。企業は、審査がある特定保健用食品(トクホ)の開発を止め、機能性表示食品の販売を増やしています。国による公的規制が必要です。