サプリメントに頼らない生活

No.63:やせるサプリメントは効くのか

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

コロナウイルスを避けるため家にいる時間が増え、「コロナ太り」が話題となりました。その後も天候不順と猛暑日が続き、屋外で運動することが減っています。食欲の秋を前にして、食事制限を考える方が増えています。
痩身をうたう製品は、脂肪・糖の吸収低下や、脂肪燃焼など、体脂肪に効果があることを期待させます。しかし、この連載で紹介したように誇大広告の問題が解決していません。

体内の脂肪の分解と燃焼を促進させることで、おなかの脂肪を減らすのを助ける働きがあるとして人気の「葛の花由来イソフラボン」製品は、誇大広告で2018年1月に販売会社が行政処分をうけました。しかし、広告の表現を改善しただけで今も販売は続いています。
これらの会社は、飲むだけで「運動も食事制限も続かない」人に、ウエストのくびれがわかるほどの痩身効果が得られると宣伝していましたが、根拠となる研究で被験者は1日の摂取カロリーを2,000kcal程度に抑え、1日当たり9,000歩前後を歩いたことを表示していなかったのです。

露骨な誇大広告は減りましたが、逆にサプリメントの効果を購入前に知ることは難しくなっています。治療や予防効果を匂わせて厚労省からの規制を受けたり、誇大広告として消費者庁に処分を受けないよう、広告で効果を具体的に示すことは乏しくなりました。そのかわり増えているのは「利用者の個人的感想」です。
イメージに惑わされないようにしたいものです。

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