サプリメントに頼らない生活

No.60:消毒液の噴霧は有害無益

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

2020年5月29日、経済産業省の要請により消毒方法の選択肢を増やす研究をしてきた、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NIATE)は、「次亜塩素酸水」について有効性を確認できなかったと発表しました。
あわせて、市販されている製品の中に、有効塩素濃度や成分内容についての記載が不十分だったり、製造日及び使用可能期間、次亜塩素酸濃度の低減について明記していないものが多いこと、有機物によって分解されるため予め対象物の汚れを落としておくべきことを記載していないものがある。など、効果を保証する品質表示の不備を指摘しました。
さらに、食品添加物や医薬品である「次亜塩素酸水」と同等の液性・濃度であることだけを根拠として、安全性を謳っているものがある。有人空間での「次亜塩素酸」等の噴霧によるウイルス対策が、公式に認められていると誤認させるような表示を行う例がある。といったように、根拠のない安全性を宣伝する問題を指摘しています。
プールの消毒に使う塩素でアトピー性皮膚炎が悪化することが知られています。次亜塩素酸水と同程度の塩素濃度だったプールの腰洗い槽は、健康障害が問題となり2001年に廃止となっています。塩素に過敏な方は水道水でも影響があり、活性炭で塩素を除去するシャワーヘッドを利用しています。塩素の消毒液を人に向けて噴霧することは止めましょう。

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