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サプリメントに頼らない生活
No.55:健康不安がつくる「隠れ多剤服用」
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
前回紹介した番組のなかで、秋下雅弘医師は多剤服用の問題点について、「薬が多くなればなるほど薬の副作用は出やすくなる」「特に6種類以上の方は副作用の発現率が10%を超えていました」と紹介しました。老化に伴って、薬を代謝する肝臓や、排泄する腎臓の機能が衰えることが、副作用発現を増やしているが、「高齢者は、薬の代謝・排泄機能にもかなり個人差がありますので、2種類でも問題が起きる人もいますし、10種類でも大丈夫という人もいます」と、自己判断で治療を中止しないように呼びかけていました。
薬物を過剰に摂取したことだけでなく、サプリの場合アレルギー性の肝障害のケースも多くみられます。
「隠れ多剤服用」として紹介されたように、サプリを飲むきっかけは、なんとなく体調不良、治療をしていても回復が思わしくないと感じるときです。自覚症状や病気の不安解消に、不調を直せると宣伝する商品を次々試すことになりがちです。しかし、サプリには効果が無いものが多く、飲んでも不安が解消せず、飲む種類が増えることにつながります。副作用・飲み合わせよりも、「健康不安」により体調を一層悪くしていることが問題です。
健康不安を商品購入で解決しようとするのではなく、相談できる専門家を見つけることや、病気や健康に対するきちんとした知識を得ることが大切です。