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サプリメントに頼らない生活
No.48:肝臓を痛める「食品」中の鉄分に注意
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
先回、ウコンの利用にあたって鉄分が問題となっていることをお伝えしました。ウコンだけでなく、「肝臓に良い」といわれるシジミ・牡蠣などの貝類やレバーは、鉄の含量が多く慢性肝炎を患っている方には有害です。鉄は、不足すると貧血になることは知られていますが、毒性は理解されていません。
ヒトの体内には3~4gの鉄が存在し、その3分の2は赤血球の中で酸素の運搬に使われ、3割は、肝臓に貯蔵されて不足に備えています。成人の場合、1日に出入りする量はわずか1mg、ごく微量で体に影響がある金属です。
C型慢性肝炎や、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の患者さんでは、鉄が肝障害の進行に重要な役割を果たしています。慢性肝炎では、鉄が肝臓に余分に蓄積され、その鉄が活性酸素のなかでも反応性が高いヒドロキシラジカルを生成します。これが、肝細胞を攻撃して、肝硬変・肝臓がんの発生を引き起こしています。
肝臓に蓄積した鉄を減らすため、成人で1日あたり平均で7.5mg摂取してるものを、6mg以下に減らす食事指導がおこなわれています。
ウコン製品中の鉄は1日分で0.2~0.4mgなので「微量」といっている販売業者もありますが、問題です。もっと多い製品もありましたし、成分表示をしていない業者もあります。脂肪肝が増えている現在、食事の鉄過剰には気をつけましょう。