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サプリメントに頼らない生活
No.47:肝臓を働かせ二日酔いを防ぐウコン
藤竿 伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
お酒を飲む時にウコンドリンク。こんな習慣が広まっています。年末年始には、うんざりするほどTVコマーシャルを見たのではないでしょうか。ウコンを売りにしたドリンクが発売されたのは2004年、現在では関連商品の販売額は300億円台となっています。二日酔い防止の健康食品は、ウコンに追加して肝臓エキスやオルニチンといった「肝臓に良い」成分を加え、製品を増やしています。
健康食品として有名なウコンも、全国的に知られるようになったのは1990年代後半、利用実績は意外に短いものです。当初、ウコン末を飲むという利用法でしたが、ドリンクにより若者が飲むようになり売り上げは3倍に増加しました。
今回、ウコンの情報は不十分なまま拡販が続いており不安になりました。メーカーは「二日酔い改善作用」「肝障害抑制作用」などをうたっていますが、動物実験レベルです。ヒトでの有効性を実証する研究は増えておらず、2000年代初めと変わらない状態です。
ウコン末をそのまま服用することと比べ、有効成分を抽出して作ったドリンクはアレルギーや鉄分による肝障害発生の危険性は低いと考えられます。しかし、ドリンクで二日酔いを防ぐことは、肝臓を助けているのではなく、肝臓を酷使しているという別の問題を生じています。ご注意ください。