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サプリメントに頼らない生活
No.45:過剰で骨が減る?ビタミンE
藤竿 伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
ビタミンEは、体内の脂質を酸化から守る作用を持っています。日本人の食事摂取基準では1日あたり目安量が、成人男性6・5㎎、女性6・0㎎と、少ない量で十分な効果を上げ、耐容上限量は700~9000㎎です。
落花生などのナッツ類や魚卵、卵黄などに多く含まれています。日本人は、植物油やサンマ・イワシなどの魚肉、ほうれん草やカボチチャといった緑黄色野菜から、十分な量を摂取しています。
長年、脂溶性ビタミンの中では安全性が高いと思われていました。しかし、2005年に発表された論文で、1日268㎎以上サプリメントで摂取すると総死亡率が10%上昇すると報告されてから、過剰摂取の危険性に注意がいくようになりました。推奨摂取量の決定と上限量については、今でも研究者が議論を続けている状況です。
さらに、2012年にマウスの実験で骨量を減らす効果が報告されました。体重50㎏の人間では1000㎎のサプリメント服用にあたる量で起きています。
治療では、ビタミンEを数百㎎投与することもありますが、サプリメントで取り過ぎることは避けましょう。