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サプリメントに頼らない生活
No.43:ビタミンCの取り方
藤竿 伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
ビタミンCは、人気の高いビタミンです。古くから大衆薬として、「しみ・そばかす」への効能が宣伝され、美肌効果を期待されています。また、活性酸素による害を抑える「抗酸化作用」で、老化を防ぐ効果も宣伝されています。
ビタミンCはコラーゲン合成で大切な役割を果たし、そのことで毛細血管の維持に関わっています。欠乏すると出血しやすくなり、全身倦怠感、食欲不振などの症状を引き起こします。ストレスや喫煙によって消費され、必要量が高まります。
「免疫力を高める」との期待もあります。1970年代初め、ビタミンCを大量(1日1g以上)にとり続けることで、風邪を予防できるという説が評判になりました。ノーベル賞を授賞した学者が、本を書いたことが元になっています。しかし、風邪にかかった人に大量投与した場合、症状が続く期間が1~1.5日短くなるだけで、予防効果は認められていません。
ビタミンCが、1日に必要とされる量は成人で100mgです。緑黄色野菜や柑橘類などの果物から摂取され、偏食がなければ通常の食事で不足することはありません。ビタミンCは水に溶けやすいため、体内に蓄積して害をおよぼすことはありません。
しかし、他の抗酸化ビタミンについて長期間追跡した研究で、食事からビタミンを摂っている場合は問題なくても、サプリメント利用者では死亡率が高まったという研究もあります。
サプリメントと比べ、食品からは他のビタミンやミネラルもとることができます。健康維持を考えるなら、ビタミンCが多い食品をもう1品増やすことから始めてはいかがでしょう。