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サプリメントに頼らない生活
No.42:摂り過ぎてもムダなビタミンB1
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
ビタミンB1は、細胞内でブドウ糖からエネルギーを生み出すときに使われる補酵素です。1日に消費される量は1㎎程度と少ないのですが、食品から摂らないと補うことができません。糖質の多い食事をしたり、筋肉を使う労働やスポーツにより消費量が増えます。
不足したときは、糖をエネルギー源としている神経細胞や脳に障害が現れます。しかし、たくさん摂ってもエネルギー産生が増えるわけではありません。
ビタミンB1が多い食品として豚肉などの肉類、魚肉、豆類などがあります。どの食品細胞内にも存在する物質です。特別の食材を選ばなくても、普通におかずを食べていれば十分です。
穀類にも含まれているのですが、胚芽部分に集中しているため精白すると失われてしまいます。20世紀前半に、脚気(かっけ)が猛威を振るったのは、白米を偏食したためです。
1日に10㎎以上摂ると吸収率は低下してきます。また、過剰なビタミンは尿中に排泄されるため、過剰になることはありません。
神経障害の治療に注射で投与することはあっても、昔のように医療現場で使われることはなくなっています。買ってまで飲む必要はないでしょう。