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サプリメントに頼らない生活
No.41:ビタミンで疲労回復できるのか
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
暑さにへばり、元気が出る食べ物・飲み物が欲しくなる時期です。その時、頭に浮かぶのはビタミンを摂ることです。ビタミンは、元気や活力のイメージで語られ、疲れを吹き飛ばす薬や栄養ドリンクとして販売されてきました。規制緩和により、薬店だけでなくどこでもビタミンサプリメントが購入できるようになっています。
日本人のビタミン好きは60年前に総合ビタミン剤が発売されるとともに、広まりました。製薬メーカーが競って、「滋養強壮」と宣伝したことから、現在60歳より上の者は「疲れたらビタミンを飲む」というイメージがすり込まれています。
20世紀初め、日本人の学者が米ぬかからビタミンB1と同じ物質を取り出し、製剤化したことで、脚気(かっけ)・神経炎・心臓機能障害を改善することができました。白米中心の偏食による栄養障害を改善したのは、栄養学ですが、ビタミンの効果は注目を集めました。
高度成長期には、ビタミンの入ったドリンク剤で疲れをごまかしながら長時間労働が続きました。 現在では、効能の再評価が進み、「次の場合のビタミンB1の補給:肉体疲労時、妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時」と、適応に疲労を回復するとは書けなくなっています。
ビタミンは微量で身体の機能を調整し、食品から摂取しなければいけない栄養成分です。栄養学の知識が進み、現代の日本で摂取不足が問題になることはありません。ビタミン補給にこだわるのは、お金のムダではないでしょうか。