サプリメントに頼らない生活

No.40:機能性表示をどこまで信じてよいか

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

先月紹介した機能性表示食品では、「脂肪の吸収を抑えて排出を増加させる作用がある」と表示しています。一方、特定保健用食品(トクホ)では、昨年6月の記事に紹介したように、食べた脂肪で吸収されたものが97%、トクホの成分により排出が増えたものはわずか1%であるため、「吸収を抑える」と表示しても「排出を増加させる」と消費者の気持ちをあおる表現は許されていません。
商品を購入する前に製品の効果を知る十分な情報が提供されていません。もちろん、消費者庁のホームページから企業の申請資料を見ることはできますが、消費者が評価するには読み取りに時間がかかるものです。そのため私も、機能性表示食品の飲料水が、1日1本とトクホの1/3の摂取量で同様の効果をうたっていることを知ったのは、先月号の記事のまとめ作業の段階です。

広告にうたわれている効果を期待し、いろんな飲み物を購入することは楽しいものです。しかし、食事からの脂肪吸収を抑えるエビデンス(科学的根拠)はあっても、ウエストが細くなるほど痩せる効果は実証されていません。試しに1カ月飲んでみて、体重減少がないようでしたら、飲み続ける必要は無いでしょう。

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