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サプリメントに頼らない生活
No.35:カルシウムだけではない骨折予防
藤竿 伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
お年寄りが寝たきりになる原因の一つに骨折があります。骨がスカスカになると、ころんだ弾みに骨折しやすくなるため、骨密度を測る機会も増えています。
骨密度は、20歳に最大となり、40代後半から減少していきます。ピークの7割を切るぐらいになると、骨の強度が問題となってきます。
骨密度を維持しようと、カルシウムが多い食事に気を使っているのではないでしょうか。日本人の食事摂取基準(2015)では、女性650mg、男性700mgを、50歳以上のカルシウム推奨量としています。一方、同年の栄養調査で摂取量をみると、50歳代の女性で499mgと不足しています。
カルシウムのサプリメントは、1日量の半分を補える製品が1カ月分千円以内で買え、人気があります。
しかし、カルシウムをとるだけでは、丈夫な骨を作れません。骨に負荷をかける運動をしないと、食べたものが骨の再生に使われないのです。運動として、ウォーキングやストレッチ体操が効果的です。
また、骨はカルシウムだけでなく、体積の半分がコラーゲン繊維で構成されています。堅くするだけでなく、曲げに強くするために、小食になりがちの高齢者では、意識してタンパク質の摂取量を増やす必要があります。
丸ごと食べられる小魚、大豆製品、乳製品などカルシウムが多い食材を増やすことは、タンパク質をとることにも効果があります。