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サプリメントに頼らない生活
No.33:健康食品による副作用、だれの責任
藤竿 伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
8月3日、国民生活センターは「医師からの事故情報受付窓口」に、健康食品による重い薬物性肝障害の報告が、3年間で9件、うち3件では入院したと発表しました。
その中から1例紹介しましょう。50歳代・女性。特保の粉末青汁を1回飲用したところ、腹部に不快感あり。13日後に寒気、15日後に頭痛。同日、肝機能値が高く肝障害を認め、34日間入院となったものです。
医薬品であれば、副作用被害救済制度により、販売企業が拠出した金で医療費保障が受けられる健康被害です。
ところが新聞では、「原因は体質か」と見出しを付け、製品の特性による副作用とは違い、服用者の特異性に基づくかのような報道がされました。
薬の副作用の原因には、量が多いことによる中毒性と、体質によるアレルギー性と2種類あります。アレルギー性といっても、その物質を服用しなければ起こらないことから、個人の体質を強調するのはお門違いです。
健康食品は、特定成分が濃縮されたり、製剤化するときに添加剤を加えているため、単なる食品より、健康被害を起こしやすいものです。
発表では、製品名は伏せられています。薬の場合でも、色素などの添加剤が違うことで、アレルギーの起こりやすさは違います。国民生活センターは、製品名を公表し、販売会社に対して消費者への安全性情報の告知を勧告してください。