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サプリメントに頼らない生活
No.31:機能性表示食品による肝障害で入院
藤竿 伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
4月10日、東京都が発表した消費生活相談の報告で、薬物性肝炎の事例が紹介されました。
報道によると、被害者は40代男性で、「目のピント調節の機能性表示食品」1日2粒ずつ摂取。服用開始半月後からオレンジ色の尿が出たため、受診したが原因不明。
その後、全身にかゆみを感じて、別の医療機関でアレルギー薬の処方を受ける。全身のだるさとめまいが取れず、血液検査を受け「急性肝炎の疑い」と診断されました。さらに検査数値が高いため、緊急入院となった事例です。
薬物による肝臓障害は、発生頻度は少ないのですが、様々な医薬品・健康食品で起こります。原因となった物の服用を止めれば回復しますが、発見が遅れると重篤な肝炎となり、命を落とすこともあります。
今回のように、黄疸・全身倦怠感・かゆみ・食欲不振などの初期症状を、服用している薬物と結びつけることができないと、治療まで5カ所の医療機関をまわり、回復までに1カ月以上かかる、不幸なことが起きてしまいます。
健康食品の場合、副作用報告が集約されないため、情報が不十分です。現時点で、東京都の事例は報道された簡単な内容しかわかりません。東京都と販売企業は、すべての医療機関に症例の詳しい経過を伝達し、共有して欲しいと思います。
みなさんも、診察を受けるときに、服用している健康食品を医師に伝えていただくことが、身を守ることにつながります。