サプリメントに頼らない生活

No.28:野菜は青汁に頼らず、料理しよう

藤竿 伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

青汁は、野菜不足の方に手軽な飲料として普及し、売れています。私たちが野菜に期待するのは、ビタミン・ミネラルと食物繊維が豊富であることです。しかし、青汁で野菜不足を補うには不足があります。
厚生労働省が2000年に策定した「健康日本21」では、野菜摂取の目標量を「1日350g以上、そのうち緑黄色野菜を120g以上」としています。
一方で、2015年「国民健康・栄養調査」は、たんぱく質・カルシウム・食物繊維などの摂取不足が、若者にめだつと指摘しています。なかでも、20代女性の野菜摂取量は227g、目標の65%です。

汁の広告では、”葉酸=キャベツ2枚分、食物繊維=バナナ4.5本分、β-カロテン=ピーマン1.5個分が1袋で摂れる”などと、栄養豊富さをうたう記述があふれています。
有名な12の製品について、栄養分の1日量を比較してみました。すると、食物繊維の中央値は1.5gで、20代女性の摂取量の1割程度。ビタミンでは1日必要量を満たしている製品もありますが、製品間の差が目立ちます。
原材料の栄養が豊富であっても、整腸効果を期待する食物繊維が絞りかすに残ったり、乾燥工程で熱に弱いビタミンCが減ることにより、製品に十分な栄養が残っているかは注意が必要です。

野菜は煮炊きするなど加熱によって消化しやすくなり、無駄なく利用できます。ともすると、水溶性ビタミンが残りやすいという理由だけで生食を過大評価しがちです。また、β-カロテンなど脂溶性ビタミンは、油類といっしょに摂取した方がよく吸収されます。
青汁に飲みやすさはあっても、効果の期待はできません。野菜を蒸し煮するなど料理の工夫が有用です。

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