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サプリメントに頼らない生活
No.23:証明できていない、ヒアルロン酸の美肌効果
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
美肌効果で注目される「ヒアルロン酸」は、以前、関節の痛みへの効果を期待させて、主にテレビショッピングで売られていました。2015年6月、機能性表示食品のトップを切り「肌の水分保持に役立ち、乾燥を緩和する」として「ヒアロモイスチャー240」が発売されました。
ヒアルロン酸は、皮膚や軟骨など体を支える構造の結合材として重要な役割を果たしています。グルコサミンとグルクロン酸が交互につながった長い繊維で、強い保水力を持ちます。関節腔注射用医薬品や、化粧水、食品添加物として利用されています。
食べた後、消化され小さな分子になって吸収され、必要な場所で再合成されます。組織内のヒアルロン酸の半減期は1日ほどで、すばやく新陳代謝されています。原料となる2種類の糖は、食事によってできるブドウ糖から作られます。
ヒアロモイスチャーは、特定保健用食品の許可を申請しましたが、「体内動態が不明確であること、有効性が認められない」として認められませんでした。
1日300gほどのブドウ糖がエネルギーと組織再生に利用される中で、0.24gのヒアルロン酸で、十分な量が皮膚に届くのか、説得力のある資料を企業が示せなかったためです。
乾燥肌に対する臨床試験では、効果が無かった研究がたくさんある中、企業が出資した少数の研究を元に「機能性表示食品」として発売されました。
安全性は高いけれど、有効性の根拠には問題があります。動物性食品を食べることで十分ではないでしょうか。