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サプリメントに頼らない生活
No.17:過労死につながるカフェイン依存
藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)
2015年12月21日、エナジードリンクとカフェイン錠によって20代男性が中毒死した事件が紹介され、飲み過ぎの危険性が強調されました。しかし、これはカフェインの飲み方というより、過労死問題と考えます。
男性は、ガソリンスタンドで深夜から早朝まで勤務し、眠気覚ましとしてカフェイン150mg程度を含むエナジードリンクを1年以上飲んでいました。亡くなる1週間前からは家族に体調不良を訴え、吐くこともあったのに、仕事は休みませんでした。
カフェインは中枢神経に働きかけて眠気をとるだけでなく、交感神経を刺激して心拍数を増やし、血圧を高めるなど興奮作用を持ちます。連用すると必要な量が増えてきます。その作用が半減するのは3~6時間かかるため、睡眠が浅くなり疲労回復が不十分になります。しかも、疲労感を感じにくくするため、過労状態を隠してしまいます。
エナジードリンクは清涼飲料水。炭酸を使ったさわやかな飲み口で若者に広がっています。飲料中のカフェイン量は、栄養ドリンク 30~50mg、エナジードリンク 79~179mgと厚労省の指導が入らないエナジードリンクの方が多くなっています。輸入のサプリメント錠も1錠に200mgと、医薬品の2倍量です。
日本にはカフェインの摂取基準がありませんが、海外の例では成人で1日400mg(コーヒー マグカップ 3杯)以内でリスクがないとされています。
十分な休息がとれ、疲労が蓄積しない労働環境を作らないかぎり、悲劇は続きます。