サプリメントに頼らない生活

No.12:青汁で野菜不足を補えるか

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

今、「青汁」人気が高まり、通信販売で上位ランクに入っています。青汁は緑黄野菜のジュースを飲む健康法から始まり、手軽に飲める粉末状の製品が利用者を増やしていました。最近、大手の食品企業が飲みやすい製品を発売し、野菜不足を心配する人に評判です。

キャベツの仲間のケールを原料とした製品は、独特な味で利用者は限定されていました。現在人気なのは、大麦若葉の製品です。さらに、明日葉や長命草、桑葉など配合する原材料は幅を広げています。
青汁からは、野菜に期待される食物繊維と、カリウム・カルシウムといったミネラルが摂取できます。乾燥粉末にしたものでは熱に弱いビタミンCが原料よりも減るなど、生より栄養価は落ちます。

広告では、利用者の体験談をもとに健康イメージを売っています。健康効果に関する実証的な研究は少なく、製品ごとの有用性の違いを評価するのは困難です。
有機栽培など原料の優秀さをうたうメーカーが多いのですが、販売量の拡大に見合う原料の量と品質を確保できているか心配です。

昨年7月、原料の米国産大麦若葉粉末が放射線照射食品であったため、販売したデパートが回収した事件が報道されました。輸入された粉末は各地の健康食品会社などに売られており、行政も全体を把握できないままでした。
医療との関係では、ビタミンKを多く含むことから、ワーファリン治療に影響を与えること、カリウム量の点で腎不全患者が服用した場合注意が必要です。

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