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サプリメントに頼らない生活
No.05:食品に忍び込む医薬品
薬剤師 藤竿伊知郎(外苑企画商事)
規制緩和される前ですが、ネット販売はもう野放し状態で、未承認医薬品が簡単に購入できます。
6月10日、厚生労働省は年1回の調査で、インターネット上の個人輸入サイトで販売されていた「健康食品」を購入し、国立医薬品食品衛生研究所で分析した結果、109製品中、56製品から医薬品成分が検出されたと発表しました。痩身用健康食品では、29製品中19製品から、9種の医薬品成分を検出しました。
ネットの通信販売では、消費者が食品と医薬品を区別しにくいだけでなく、日本で承認されていない医薬品でも代行輸入で入手することが可能です。食欲抑制剤などを含む「MDクリニックダイエット」の服用で2011年に死者が出たことを繰り返してはいけません。
食生活の習慣を変えなくても痩せることが出来るサプリメント。期待通りの効果を上げるために、食欲抑制剤・甲状腺ホルモン・下剤・利尿剤などの医薬品成分が添加されることもあります。
販売業者は、副作用情報を伝えていません。利用者が飲んでいる成分を知らないため、健康被害が出たとき原因解明に困る状況です。
インターネット販売に関する行政の監視は、他に、消費者庁が「がん」や「糖尿病」に効くなどと称する「虚偽・誇大広告」を年4回調査しています。直近の調査では166事業者185商品に改善要請をしました。東京都も独自に広告を監視し、2013年度は2万4千件の広告を調べて、443件375事業者に改善指導をおこないました。しかし、急速に広まるネット販売を規制するには、なんとも力不足です。