サプリメントに頼らない生活

No.04:食品の栄養機能表示の問題点

2013年6月。安倍首相は成長戦略の目玉の一つとして、食品の効能・効果表示に関する規制緩和方針をだしました。

現在特定保健用食品(トクホ)と、栄養機能食品に限っている効能の表示を一般の食品でも可能にする制度の創設をめざし、7月までに「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」を8回開催して具体策を検討しています。

薬事法の規制があると機能表示が出来ず、トクホでも「血糖値が気になる方に」など消費者に分かりにくいと説明しています。規制緩和により、現在1兆8千億円ほどである健康食品市場の拡大をめざしています。モデルはアメリカで、1994年に制定された「ダイエタリーサプリメント健康教育法」です。

この法律では、企業が科学的根拠があるとすれば政府への届け出だけで表示が可能です。その結果、米国ではサプリメント王国として年間3兆円ともいわれる巨大市場が形成されました。2004年4月アメリカ食品医薬品局(FDA)は、ダイエットや運動能力向上に効果があるとして、販売されていた「エフェドラ」含有サプリメントの製造販売を禁止しました。

しかし、業界の反対に備えたリスク評価に時間がかかり、規制までに164人の死亡者が発生しました。「検討会」ではアメリカでの問題点を修正して導入する論議が進んでいます。しかし、企業の販売活動を監視し規制する体制作りは「消費者団体の活用」などとし貧弱です。行政の監視が必要です。

サプリメントに頼らない生活 TOPへ戻る≫

TOPへ