クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.37:くすりの通り道

東葛病院薬剤部 田島 愛莉

皆さんは薬がどのように体に作用するのかご存じですか。
薬には口から飲む薬や注射、貼り薬や塗り薬、坐薬など多くの種類がありますが、今回は飲み薬がどのような道のりで体の中をめぐり、体の外へ出ていくのかについてお話ししたいと思います。

薬を飲みこむと食道、胃、そして十二指腸を通過し、小腸にたどり着きます。多くの薬は胃で成分が溶け出し、小腸で吸収されて肝臓に送られます。肝臓には様々な酵素があり、薬の成分は他の形に変えられて効果のある形になったり、逆に効果のない形になったりします。そして、全身をめぐる血液に入ります。血液に入った有効成分は体の中の目標となる場所までたどり着くと、そこでやっと効果を発現するのです。そのため、薬を飲んでから早くでも15分~30分ほどしないと、効果を感じないわけです。

効果を発現した薬は目標の場所から離れ、再び血液に入って肝臓に戻ります。そして酵素によってまた形を変えられながら、少しずつ効果を失っていきます。効果を失った成分は血液に入り腎臓にたどり着き、尿に混じって体の外へ出ていきます。

そのため、多くの薬で肝臓や腎臓の機能が下がると体の中に残り続けて、副作用が発現したりするので薬の量を減らす必要があります。腎臓を通る以外にも汗や便などから体の外へ出る場合もあります。

薬について気になることがあれば、ぜひ薬剤師に聞いてみてはいかがでしょうか。

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