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クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~
No.32:尿酸の薬について
東葛病院薬剤部 加藤 大和
この時期、送別会や歓迎会とお酒を飲む機会が多いかと思います。そんな時期に知っておいてもらいたい病気に「高尿酸血症」というものがあります。
高尿酸血症とは名前の通り、血液中の尿酸値が7.0mg/dlを超えている状態を指します。この状態が続くと、過剰な尿酸が結晶を作り、関節や尿管などに蓄積し炎症を起こします(皆さんが良く耳にする痛風や尿路結石の事です)。
また、結晶が腎臓に蓄積されると、腎臓の機能に障害が起きます。そのため生活習慣の改善や薬の服用で、体内の尿酸を正常な量に保つことが大切になります。
高尿酸血症の病型には、①体の中で尿酸が過剰に作られている、②体から尿酸が抜けにくい、③①+②が混在している状態の3タイプに分けられます。薬による治療は、それぞれのタイプに合わせてより効果的な薬を選択していきます。現在、①のタイプに3種類、②のタイプには2種類の薬が日本で使用可能になっています。他に尿をアルカリ性にする薬(高尿酸血症の人は尿が酸性に傾いている事が多く、尿が酸性に傾いていると結石ができやすい)などが使われます。
薬について簡単に説明しましたが、治療の第一歩は生活習慣の改善です。尿酸のもとになるプリン体を多く含むアルコールや魚卵などはなるべく控える、軽い有酸素運動をするなど、薬に頼らない治療がとても大事になります。