クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.31:ポリファーマシーという言葉をご存知ですか?

東葛病院薬剤部 川澄 美子

ポリファーマシーは、「Poly(複数)」+「Pharmacy(調剤)」から成る言葉ですが、複数の薬を服用することにより副作用などの有害事象(薬の因果関係に関わらず投与によって起こる好ましくない全ての事象)を起こすことを言います。仮に多くの医薬品を使用していても、患者さんの治療や健康管理に必要な場合は、ポリファーマシーではありません。

高齢者とポリファーマシー
高齢の方は複数の疾患に罹患していることも少なくありません。その分、使用する薬の数が増える傾向にあります。多数の薬が処方されても適切に服用できず、症状の悪化で更に薬が増える場合もあります。
また、加齢に伴い生理機能が低下するため、薬の効き目が強すぎてしまう場合があり、若い方よりも副作用のリスクが高まります。この副作用に対してまた薬が追加されるという悪循環に陥ることもあります。

ポリファーマシーを解消する取り組み
病院では入院された患者さんに対して、医師、看護師、薬剤師などの医療スタッフが、患者さんの情報を共有し、服用状況、現在の症状、生活環境に合わせて適正は薬剤となるよう取り組んでいます。
患者さん自身においても、お薬手帳やかかりつけ薬剤師制度を活用することで、残薬を調整したり、薬の重複を予防することにつながります。
もし残薬やお薬の数が多いなど、気になることがあったら、病院、薬局の医療スタッフに相談してみましょう。

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