クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.29:錠剤の中には砕いてはいけないものがあります

東葛病院 薬剤部 比田井かおり

お薬を処方されると、大半の薬は錠剤で渡されることが多いですね。でも、錠剤を飲むのが苦手な方、高齢になり飲み込みにくくなったという方もいらっしゃると思います。そのような場合に、小さく砕いて飲めないかと考えるかもしれませんが、錠剤の中には砕いてはいけないものがあります。
有効成分の性質によって、錠剤には様々な工夫がされています。例えば、苦みや刺激が強いもの、胃酸や光に弱いものなどは、錠剤の周りをコーティングしています(糖衣錠、フィルムコーティング錠、腸溶錠など)。砕くとそのコーティングがとれてしまい、苦くて飲みにくくなったり、有効成分が減少して本来の効果が得られなくなる可能性があります。

また、1日1回服用で長く効くように加工された錠剤(徐放錠)というのもあります。これを砕いてしまうと、効果が続かなくなるばかりか、有効成分が早く体内に入ってしまい、薬を過量に服用したときに起こる副作用が出やすくなる可能性もあり危険です。
このような加工は、見た目でわからないものが多いので、自己判断で錠剤を砕かないようにして下さい。薬局では、ご希望があった場合には服用している薬について砕いて問題ないか確認し、適さない薬については代替薬を提案しています。
錠剤が飲みにくくて困っている方がいましたら、遠慮せずに医師・薬剤師へご相談下さい。

クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~ TOPへ戻る≫

TOPへ