クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.26:耐性菌を作らない・増やさないために

薬剤部 篠田 千尋 薬剤師

【抗菌薬はウイルスに効かない】
抗菌薬は大腸菌や結核など細菌と言われるものに対して効果のあるお薬です。抗菌薬は薬によって効き方がことなりますが、細胞を作らないようにする事で増殖を抑えます。ウイルスは細胞がないため抗菌薬が効きません。

【風邪と診断されたのに抗菌薬が処方されないのはなぜ?】
風邪と診断されたにも関わらず、抗菌薬が処方されなかったことはありませんか? 実は風邪の原因の8~9割がウイルスであるといわれており、抗菌薬は効きません。主な治療法は対症療法(栄養と休息を十分にとることなど)です。細菌が原因ではない場合に抗菌薬を飲みますと、耐性菌(抗菌薬が効かない菌)ができてしまう恐れがあります。

【耐性菌について】
抗菌薬は病気の原因となっている細菌だけでなく、様々な細菌に効きます。抗菌薬を使うと効く菌だけが死んでしまい、効かない菌(薬剤耐性菌)が生き残ります。抗菌薬が効く菌が減ると耐性菌は増殖しやすくなります。抗菌薬を使う機会を本当に必要な時だけにしぼりこむ事が薬剤耐性菌対策にはとても大切です。

【抗菌薬服用時の注意点】
①症状がよくなっても最後まで飲み切ってください。②決して人にあげないで下さい。③白宅に抗菌薬があったとしても自己判断で飲むのはやめてください。 皆様1人1人の意識と行動が将来、耐性菌を増やさないことにつながります。

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