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クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~
No.20:骨粗鬆症治療薬による薬剤性顎骨壊死
薬剤師 石﨑 由里子
顎骨壊死とは、あごの骨の組織や細胞が局所的に死滅し、骨が腐った状態になることです。症状としては、口の中の痛み、あごの腫れ、膿が出る、歯のぐらつき、骨の露出などがあります。
骨粗鬆症の治療薬であるビスホスホネート製剤やプラリア皮下注で、まれに顎骨壊死が生じることが報告されています。
ビスホスホネート製剤は、起床時に内服し、毎日服用するもの、週1回、月1回の内服でいいものなどいろいろな剤型があります。ビスホスホネート製剤投与中に、化学療法や副腎皮質ステロイド薬の服用、抜歯などの侵襲的な歯科処置などを行ったときに起こることが多いようです。
また、顎骨壊死は口腔内の不衛生な状況においても起きやすくなります。喫煙、飲酒、肥満もリスクになります。
対策として、毎食後と寝る前の歯磨きで口腔内をきれいに保つこと、定期的な歯科検診を受けて歯石の除去などをしてもらうことが大切です。
骨粗鬆症の治療をしている患者さんは、歯科受診する際に骨粗鬆症の治療中であることを伝えてください。休薬が必要になることもあります。もし、症状がみられた場合はすぐ医師、薬剤師に相談してください。