クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.18:痩せる薬のリスク

薬剤師 青木 千紘

楽に痩せる?

「薬を飲むだけで痩せればいいのに」ってダイエットをしたことがある人は思ったことがあるはずです。一般的にダイエットは食事と運動でリバウンドしないようにゆっくり脂肪を減らしていくのが健康的ですが、食事制限はつらいし、運動はしんどい。楽に痩せるには…。

痩せる薬

痩せる薬とは、食欲がなくなる、糖や脂肪の吸収を抑制してそのまま排泄する、浮腫みをとるといった作用を持つ薬をいうようです。日本では医師による処方箋がないと手に入れられないような医療用医薬品が「痩せる薬」としてネットでは紹介されています。海外ではサプリメントみたいに売られていて、入手は簡単です。

薬のリスク

薬剤師として痩せる薬をみると、全くおすすめできないものばかりです。期待する作用がある薬には必ず副作用があります。痩せることとは無関係に肝臓や腎臓が悪くなる、電解質異常を起こすなど痩せる薬によって病気になるかもしれません。そんなリスクがある痩せる薬をのみますか?

利尿作用

浮腫みをとる薬は、心不全や腎不全などで体や臓器が浮腫む症状があるときに使う利尿薬です。浮腫みの原因になるナトリウムやカリウムという電解質を主に排泄することで尿量が増えます。この利尿作用は、ナトリウムを体に入れないようにする減塩の食事療法でも同じような効果が期待でき高血圧の予防にもなります。
ダイエットは姿以上に、努力した自分自身も綺麗にするものです。痩せる薬に頼らずお互い頑張りましょう!

クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~ TOPへ戻る≫

TOPへ