クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.16:薬の誤飲事故 薬シートの誤飲に注意

薬剤師 速水 直子

誤飲の予防

薬を包装ごと飲みこんでしまい、喉や食道などを傷つけたという事故の例が数多く寄せられています。そのため1錠ずつに切り離せないように包装のミシン目を一方向のみとし、誤飲の注意表示を増やすなどの対策がとられました。しかしその後も依然として誤飲事故は後を絶ちません。

事例あれこれ

処方された薬を包装ごと飲みこんでしまい、喉が痛く救急車で病院に行ったものの喉仏の裏側に薬が引っかかってレントゲンでは見つからず、数時間かけて内視鏡で取り出した事例。別の事例では腹痛が続いており、自宅のお風呂場で立ち上がれず、病院へ救急搬送。手術してみると、切除した腸内に薬の空の包装が発見され、4か所消化管に穴が空いてしまった事もありました。

誤飲の実体

1錠単位に切り離した薬の包装をそのまま飲み込んでしまうと、自力で取り出すことは難しく、X線写真にも写りにくいため、内視鏡で取り出すことになり、身体への負担も大きくなってしまいます。誤飲を予防する為にも1錠ずつに切り分けることは止めましょう。薬の管理が難しい場合は1回分ずつの薬を袋にまとめて入れる「一包化」も出来ますので、医師や薬局に相談してみて下さい。もし誤飲してしまったら、すぐに病院に受診しましょう。時間が経過すると誤飲してしまった薬の包装は発見しづらくなり、症状が重症化するおそれもあります。

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