クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.15:湿布薬と紫外線

薬剤師 比田井 かおり

湿布薬と紫外線

湿布薬による光線過敏症とは、皮膚についた薬剤と紫外線(UVA)が反応して、湿布薬を貼った部分がやけどのように赤く腫れたり、強いかゆみをひき起こし、湿布の形に痕が残ることもある皮膚炎です。近年、痛みどめの成分である「ケトプロフェン」によるものが多数報告され、2011年に厚生労働省からも注意するように文書が出ています。(当院ではモーラステープが該当します)

予防策

予防として、「薬を使用した部分に日光を当てない」ことが大切です。そのために、手や首など服で肌が隠れない部分には絶対に貼らない、薄手の服は紫外線を通しやすいので濃い色のしっかりした生地の服で覆う、サポーターを使用する、といった対策が必要です。日焼け止めクリームを使う際はUVAの防止効果が高いPA+++以上のものを選びましょう。但し、オキシベンゾンやオクトクレリンという添加物を含むものは光線過敏症の症状を増強する可能性があるため避けてください。
また、はがした後少なくとも4週間紫外線を避けるように言われています。過去の事例では、海水浴やゴルフ、草取り、暑かったので腕まくりをした、等で湿布を貼っていた部分に日が当ってしまい、症状が出ていました。夏休みに屋外のレジャーを予定している方は今から注意が必要です。買い物や散歩の時はもちろん、車内や室内であっても窓ガラスを通して入る日差しに注意しましょう。もし症状が出てしまった場合には早急に皮膚科を受診しましょう。治ったあとも日光を浴びることで再発する場合がありますので、引き続き紫外線対策を行うことが大切です。

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